アーチーズ国立公園、デリケート・アーチの絶景に至るまでの道のりはちょっとした冒険

アーチーズ国立公園(Arches National Park)を訪れるならば絶対に訪れたい場所の一つ、それがデリケート・アーチ(Delicate Arch)です。

その姿は自然にできたとは思えないもので、誰もが言葉を失うほどの造形美です。トレイルの終着点に着いた瞬間、周りの観光客からも「Unbelievable」「Incredible」と感嘆の声が多く聞かれました。

今回はそんなデリケート・アーチまでの道のりを紹介します。

アーチの麓までのトレイル

国立公園の入り口から30km弱のところにウォルフ・ランチ(Wolfe Ranch)という場所があり、駐車場があります。ここがトレイルの出発点となります。

トレイルは往復4.8km、所要時間は往復2.5時間となっており、難易度はアーチーズ国立公園の3段階(Easy/Moderate/Difficult)の中でもっとも難しい「Difficult」が設定されています。しかし、危険な場所はなく、体力と脚力さえあれば到達できると思います。

筆者が訪れたのは観光客の少ないオフシーズンの1月。ビジターセンターの情報によるとトレイルは所々凍結しているものの特別な装備はなくとも歩けるとのことでした。

トレイルの前半は開けた岩盤の上をひたすら登っていく感じです。見通しは良いのですが日陰は全くありませんので、夏は相当暑いと思われます。

奥にある駐車場から登ってきたトレイルの途中

トレイルに沿ってロープや柵はありませんが、人の通った跡と所々にあるケルン(石を積んだ道しるべ)を頼りに進んでいけば迷うことはありません。日中であれば観光客も多いので道にまよくことはないでしょう。

トレイルの後半は、岩山に沿って歩くルートになります。冬季は凍結しますので、簡易的なアイゼンがあると心強いです。

完全に凍結、もちろん柵もロープもないです
坂道で完全凍結しているので谷側には絶対足を踏み出さないように・・・

デリケート・アーチとご対面

トレイルの終盤の凍結ゾーンを過ぎると、一気に開けた場所に到着。そこには大きなすり鉢状の斜面とその奥にデリケート・アーチが待っていました。

すり鉢状の斜面の奥にあるのがデリケート・アーチ

高さは14mほどで4階建てのビルに相当します。

真下にいる人と比べると大きさがよくわかります

日没の時間に近づくほどアーチが赤く染まっていきます。

しかし、デリケート・アーチで夕日を眺めた後に戻る場合に忘れてはならないこと。それは、戻りも2.4km、1時間半近くは歩かないといけないことです。

日が落ちた後、周辺は急激に暗くなります。人工の光は一切ないため月が出ていない時は全くの暗闇です。道が見えなくなりますので懐中電灯は必須アイテム。そして、絶対に単独行動は避けてください。同じような風景と地形が続くため遭難してもおかしくありません。

筆者は星空を眺めてから帰路に着いたのですが、夕暮れを迎える前に残っていた周辺の人たち4人(アメリカ人、ドイツ人、イタリア人)とパーティを組んで行動しました。ドイツから訪れていたカメラマンが強力な懐中電灯を持っていたため、帰り道も迷うことなく帰ることができました。

デリケート・アーチを訪れる時の注意点

最新の情報を手に入れよう

ホームページ(https://www.nps.gov/arch/)やFacebookといったオンラインの情報、そして、訪問当日は必ずビジターセンターによることをお勧めします。

水は1人当たり最低1リットル

多いと思うかもしれませんが、トレイルだけでなく滞在時間も含めると4時間近く日陰のない炎天下にいることになります。途中で水は手に入らないので、十分過ぎるくらいに持って行ってください。

日焼け止め、帽子、サングラス

日差しが強いです。曇り空だろうと冬であろうと必ず日焼け止めクリームなどで防御しましょう。こんがりと焼けます。

冬季はトレイルが凍結するので簡易アイゼンなどの装備を

冬場はトレイルの後半が凍結しています。簡易アイゼンやチェーンスパイクがあると非常に安心・安全です。

朝焼けの時間帯は空いています

夕焼けが有名なデリケート・アーチなのですが、冬以外のハイシーズンは数百人程の観光客がアーチ周辺にいて非常に混雑します。公園のホームページでは、混雑を避けるため朝焼けの時間帯に訪れることを強く推奨しています。

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