キャニオンランズ国立公園を訪れた目的は、ただ一つ。メサ・アーチ(Mesa Arch)で朝日を望むこと。今回はその朝を、時間を追って紹介します。
メサ・アーチは、モアブの町からキャニオンランズ国立公園に入り、最寄りの駐車場まで約45分。そこから簡単なループトレイルを15分ほど歩いたところにあります。
朝5時、ホテル出発
日の出の2時間ほど前には現場に着いておきたくて、ホテルを朝5時に出発。真っ暗な国立公園を走りました。途中、対向車は一台も見かけなかったのに、駐車場にはすでに車が止まっていました。まだ6時、日の出まで1時間半もあるのに——。
月明かりとヘッドライトを頼りに、雪と氷の残るトレイルを15分ほど歩いてメサ・アーチに着くと、2人の先客がすでに三脚を立てていました。地元のカメラマンで、何度もここに通って撮影しているそう。さっそく隣に重なるように三脚を立てさせてもらいました。
どれくらい前に着くべき?
世界中から人が集まる人気の撮影スポットですが、ポイントは意外と狭く、場所取りはなかなか熾烈です。Google画像検索で「mesa arch photography」と調べると、その混みようがすぐ分かります。
目安として、冬場は日の出の1時間半前で十分。ただし夏場は気候がよくなるぶん、もっと早く行かないと良い場所は確保できないかもしれません。
6時20分、ファーストショット
準備が整って最初の一枚。空がわずかに明るみ始め、それでもまだ星が見える静寂の時間です。この日の気温はマイナス7度。無風だったのは幸いでしたが、指先から凍えてくる寒さでした。
下の写真は、前日に出会ったカメラマンに教わった方法で撮ったもの。シャッターの露光中にペンライトで岩を照らすと、アーチが綺麗に浮かび上がります。

ペンライトでアーチを照らした一枚。背後には満天の星
こちらは空が少し色づきはじめたころ。まだ星が残る、夜明け前の静かな時間です。

残る星と、色づきはじめた地平線
7時、人が集まりはじめる
7時ころには、ぽつぽつと人が増えてきました。寒空の中で夜明けを待つ猛者たちは、自然と「どこから来たの?」「どんな写真を狙ってる?」と会話が弾みます。日の出の瞬間だけを狙う地元のフォトグラファー、タイムラプス用に複数台を並べるサンフランシスコの人、ノルウェーから来たカップル——実にさまざま。
前夜にアーチーズ国立公園のデリケート・アーチで一緒だったドイツ人とイタリア人も登場。「もうこんなに人がいるのか!ちょっと寝坊した」と言いながら、彼らも隣に三脚を立てました。
7時20分。薄雲がかかって、空が明るくなってもなかなか太陽が顔を出しません。

三脚がずらりと並ぶ。寒空の中で夜明けを待つ人たち

夜明け直前。アーチの裏側が赤く灯りはじめる
7時40分、いよいよ朝日
ようやく太陽が見えはじめます。この瞬間、思わず感激の言葉がもれました。

太陽が顔を出した瞬間。アーチ越しに星形の光が差す
7時45分。周囲がオレンジ色に染まった瞬間、カメラマンたちが一斉にシャッターを切り、その音が鳴り響きました。誰かがこう呟きます。「まるで戦場だな」。本当にその通りで、チャンスは10分ほど。太陽が昇りきると、あのオレンジ色は薄れてしまいます。

アーチの裏側が燃えるようなオレンジに

アーチ越しに朝日を狙うカメラマン

リムに腰かけ、朝日と大地に見入る
8時30分、メサ・アーチを後に
8時30分ごろまで撮影して、トレイルを戻りました。帰り道も、雪と霜、澄み切った青空、まだ浮かぶ月——どこを切り取っても美しい朝でした。
訪れるときのコツ
- 到着時間:冬は日の出の1時間半前、夏はさらに早めに。狭いので場所取りは早い者勝ち。
- 駐車場:メサ・アーチの駐車場は小さく、朝は混みます。モアブから片道1時間+トレイル15分を逆算して出発を。
- 防寒:冬の明け方は氷点下。手袋や使い捨てカイロがあると、シャッターを切る指が助かります。
- 足元:トレイルに雪や氷が残ることがあります。滑りにくい靴で。
- 予約:キャニオンランズは入園予約は不要(2026年時点)。詳しくは行き方の記事へ。
まとめ
メサ・アーチの朝日を時系列で紹介しました。私にとって、この夜明けは生涯忘れられない景色になりました。寒さも早起きも全部ふっとぶ、それだけの価値があります。ぜひ、みなさんも体験してみてください。